台湾は国ではないのか?
Posted by <

「国と地域」という言い方

世界各国の比較などで「○○(数字)の国と地域で」と言われるのは、香港など、独立国家ではないが、まるで一つの国であるかのように比較する為である。その地域に台湾も含まれる。と言うよりか、この言い方は主に台湾に配慮した言い方とも言える。他の地域と言うと、香港、マカオ、プエルトリコが思いつくぐらいである。

では、台湾はどういう背景で「地域」とみなされているのだろうか。

翻弄される台湾の歴史

台北101タワー

台北101タワー。台湾南部高雄でもタワーに行って見た夜景には特段の感動はなかった。タワーは近くに高速道路があると綺麗。

中国大陸で2つの政党が対立

大まかな説明をする為に、第二次世界大戦前の中国大陸での情勢から説明する。

1911年、中国では清朝が倒れ秦の始皇帝から数えると二千年近く続いた封建制度が遂に崩壊して、アジア初の共和国が誕生した。

それが中華民国である。2014年現在、中国大陸にある国は中華人民共和国なので、別の国と考えることができる。

中華民国で実権を握っていたのは中国国民党である。中華人民共和国、つまり今の中国大陸にある国を建国した中国共産党は民国時代に誕生したが、与党ではなかった。

第二次世界大戦後

その頃、台湾は上記の中華民国建国より前から、日本の領土であった。日本が第二次世界大戦で降伏を宣言すると、当時の中華民国は台湾を占領した。

これが1945年のこと。

その後、1949年に、中国大陸では中国共産党が国内の権力闘争に勝利し、中華人民共和国を設立。

内部闘争で敗れた中華民国時代の与党、つまり、国民党は中国大陸から台湾やミャンマーに脱出した。

その後、中国大陸には中国共産党が統治する中華人民共和国があり、台湾省を含む地域を自国とし、自らを正当な中国とし、中国は1つしかないとしている。

一方、台湾と台湾海峡の島々のみを統治している中華民国は中国大陸全土を含む地域を自国とし、同様に自らを正当な中国とし、中国は1つしかないとしている。それを示すものとして、中華民国は正式な首都を南京とし、台北を臨時首都としている。

どちらか一つしか国として承認することができない

日本などの外国の国としては、国共内戦(中国国民党と中国共産党)には関係ないので、この二つの国の両方を国として認めればいいのだが、それを当事国である2つの国が認めないのである。その為、世界の多くの国では、中華人民共和国だけを国として認めている。大陸中国は人口が多いので、いろんな国はその市場で商売したいからだ。

台湾問題をどう考えるかは個人で決めるべきだ

しかし、これは国家間の外交での便宜に過ぎず、日本国民が台湾を中国の一部だと考えているということではない。自由主義陣営に生きている人たちにとって、これは自由に決めることができる事柄である。

中国と台湾の空港で押されるスタンプは別物

台湾に行くと、「中華民国」のスタンプが押され、使われる紙幣や硬貨も「中華民國」と表記されている理由はもうお分かりだろう。僕ら外国人が台湾や中国に行った後に、もう片方の国・地域に行くことには問題ない。イスラエルのスタンプがパスポートに押されていると、アラブの国には行けないというようなことは中国・台湾に関してはない。

台湾に住んでいる人はどんな人?

日本敗戦後に、台湾は中華民国に占領され、今もそのままなのだが、台湾に住んでいる人はどう思っているのだろうか。その思いは人それぞれで一言では語りつくせない。台湾に住む人の大部分はずっと昔(たぶん明朝時代くらいから)中国大陸から移民して来た漢民族の人が多い。下の本などから、台湾人の声を聞くことができる。

また、漢民族以外では、漢民族が台湾に来る前から住んでいる原住民の人たちがいる。彼らは日本統治時代には高砂族(たかさごぞく)と呼ばれていた。

これで納得できたかな?

関連記事:自分の中に日本精神を見た台湾の旅/ネクラボ/海外

ネクラボの更新を自動で受け取りたい方は以下のリンクに行ってください。

http://neclab.net/update
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村