予測不能な外国の友人たちがすごい インドネシア
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世界中に友達100人いそうなインドネシア華人の友達

中国南部の都市広州に語学留学していた頃、中華系インドネシア人の友達がいた。彼のあだ名はドラゴン。

このドラゴンがすごい。

中国の学生寮

大学の学生寮。留学生たちは大きな音で音楽を流したり、写真のようにクラブにあるライトで暴れまくる。

キャンパスを歩けば必ず知り合いとすれ違う

ドラゴンとキャンパスを歩くと待たされることが多い。それは彼が頻繁に知り合いに会い、「最近どう?」と陽気に会話するからだ。しかも、彼は単に知り合いが多いだけでなく、みな彼と親しかったことがすごい。その知り合いが様々な国の留学生だった。

学内の日本人は全員友達

ドラゴンは大学内の日本人学生約15人全てと知り合いで、頼んでもいないのに僕に日本人学生を紹介してくれた。彼は日本贔屓(びいき)で、日本人だけでなく日本製品や日本のテレビゲーム、サブカル(特に子供の頃から大好きな仮面ライダー)、日本のこと何でも好きなやつだった。日本企業のパソコンが欲しいが価格が高いので台湾のAcerを使っていた。

授業は全て録音し収集

彼は電化製品マニアでカメラとiPod Touch、Nokiaの安物携帯、レコーダー(録音機)、Acerのノートパソコンを常に持っていた。たまに、撮影用の三脚まで持ち歩いていた。

彼はそのレコーダーで出席する全ての授業を録音した。時々授業中に寝ているが、それでも大丈夫。録音を聞けばいいからだ。彼が実際に録音を聞いているのかは定かではない。恐らく病的な収集癖があるのだと思う。

毎日彼はその録音と、教室のパソコンに残された資料(パワーポイントのスライド)を収集して、毎日クラスメイトに送りつけてくる。頼んでもいないのに。たまに本当に必要な時は重宝した。でも、必要かどうか関係なく毎日録音が添付されたメールが届いていた。

広州のタワー、小蛮腰

東京スカイツリーより高い広州の通称「小蛮腰」

学生のアドレスも収集

ある授業は授業後に教室のパソコンにある資料を回収するのがすごく面倒だった。パソコンは一台しかないのに学生は平均して30人。中には並ばないやつもいる。そんな中ドラゴンはもめごとを起こさずにこの問題を解決していた。

彼は、せかしてくる留学生に対して、メールで送ってやるからとメールアドレスを聞く。これでドラゴンにとっては友達が増えるし、留学生も並ばなくてラッキー。

友達の増やし方

そんな彼の友達の増やし方を思い知らされた出来事が起きた。ある日、彼と大学に夜まで残って一緒に勉強したことがあった。その日は、翌日に発表する会話を作っていた。しかし、僕ら外国人では中国語で作った原稿があっているかわからない。

すると、

ドラゴン「中国人に聞こう」

おれ「細けぇこたぁいいんだよ」

ドラゴン「いや、ちょっと行って来る」

と躊躇なく5mほど離れた場所で自習をしていた見知らぬ中国人女学生のところへ。おれは遠くからポカンとしていた。彼は戻ってくると、しっかり修正してもらっていた。その後、ドラゴンがちゃんと修正したところを理解したか気になってその女子学生が僕らの方に教えに来てくれたので、さらに20分ほどの間つきっきりでネイティブの表現を教えてもらう事ができた。

しかし、その日は結局12時近くまで残っていた。なぜなら、最初の女学生に教えてもらった後に、また知らない女子を2人連れてきてあれこれ書き換えだしたからだ。いろいろ議論しているうちに遅くなり、中国の女子大生が帰った後にやっと二人で予行演習できた。

ところで、ちょっと離れて見ていると、彼はしっかり最初の女学生の電話番号をゲットしていた。抜かりないなぁ、収集癖。

解説:文化の違いは予想できない

ドラゴンはインドネシア生まれだが、土着のインドネシア人ではなく中華系だ。しかし、彼を見る限り南洋な印象を受ける。いつも陽気に笑っていて、よく日本語で「大丈夫大丈夫ー」と言っていた。彼はビリヤードをしなかったが、僕らがビリヤードをしていると、なぜかいつもそばで盛り上げてくれていた。

人にお願いしたり、データを送ったりしたら、人を困らせるかもなんてことは考えない。彼がどこまで予見能力があるのかなんてさっぱりわからない。どうせ外国人のことなんてわからないものだ。これこそ文化の違いという体験だ。でも、だからこそ新鮮で、外国は面白い。