中国のネット事情 その2
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閉鎖的なイメージがある中国のインターネット事情。

以前公開した 中国のネット事業 その1 に続き、その2を書きます。

 

今回は

  • LINE
  • Skype
  • 検索エンジン
  • 広告についてです。

 

LineとWechat

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以前は、「連絡先が流出するからLineに登録したくない」なんて言っていましたが、僕が海外にいるここ1年の間に、日本ではLineで連絡を取ることが普通になっているようです。

今中国で流行っているのはWechat(微信)です。主な機能はLineと同じで、無料でメッセージの交換ができます。絵を送ることもできます。中国でもLineは使えますが、Wechatの利用者が断トツで多いです。

WechatはQQを運営している会社Tencent(腾讯)が提供しているサービスです。このテンセントが将来的にはニューヨーク株式市場で株式公開する(IPO, initial public offering、日本で言う上場のこと)だろうという話をときどき新聞で見かけます。もしこれが実現すると、Facebookの記録を抜き、史上最も価値の高いIPOとなります。下記リンクは参考資料の一つです。

San Jose Mercury News
http://www.mercurynews.com/business/ci_24233790/world-waits-alibaba-ipo-filing-chinese-tech-giants

ちなみに世界には似たようなメッセージアプリがたくさんあります。

基本機能はほとんど同じです。この間、香港でインド人のおじさんにwhatsAppやっているかと聞かれました。東アジア以外ではLineやwechat以外のサイトが既に使われているのでしょう。

AIMはアメリカの電話番号しか登録できません。

Hangoutは僕が香港で国際版携帯を買ったときに最初からインストールされていました。SMS(携帯の番号で受け取るメッセージ、日本にはない)の全てがHangoutにも記録されています。この機能はLineやwechatにはありません。Google Talkの後継らしいです。

中国のwechat(中国語で微信)の他に易信というサービスもあります。
http://yixin.im/

LineとWechatに関して、Wall Street Journalが以下のような記事を発表しています。内容はLineとWechatのどちらが世界シェアを取り、アメリカ発のサービスにって代わるのか、というものです(僕の翻訳は少し誇張しています)。
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303643304579108924275071910

下は日本語に翻訳した記事。
http://newsphere.jp/business/20131011-1/

Skype

中国国内では中国版のSkypeしかダウンロードできず、国際版と仕様が違います。Skypeの公式ページの英語版にアクセスしてもやはり中国版しかありません。ログイン後に広告がやたらと出ること以外、中国版と国際版の機能上は違いがありませんが、国際版とは違うものがあること自体気味が悪いです。また、Skypeの中国での知名度は低いです。ちなみに、Facebookを知らない人も多いです。「え、日本にQQないの?」と本気でびっくりされます。この辺で、世界から隔離されています。

サーチエンジンについて

Googleの中国版はありません。Google Hong Kongのみ。Google Chinaは2010年に中国撤退をしています。

Yahoo! Chinaにアクセスすると、通販サイト「淘宝(taobao タオパオ)」に自動で飛ばされるようになっている。つまり、あまり検索で使われていない。下のリンクがYahoo! Chinaのページ。

http://cn.yahoo.com/goodbye/yahoo.html

Baidu(百度 バイドゥー):中国では最も検索結果数が多く、よく使われるサーチエンジン。

Soso(捜捜):このように他にも検索エンジンがある。日本にもBingなどのヤフーやグーグル以外の検索エンジンがある状況と同じです。

 

検索結果

中国語で検索すると、公式ページがなかなか出てこない。検索結果を決める計算方法(アルゴリズム)が日本や欧米のものと違うと僕は思う。(これは僕にもよくわかりません。)例えば、会社名を入力し検索すると、その会社の求人情報が出る。その為、「公式ページ(官方網頁)」と入力する。

中国人が言うには、SEOの為に金を払わないといけないと言っているが、にわかには信じられない。とにかく、中国のサーチエンジンの検索結果は僕らの想像と異なるので研究が必要だと思う。

 

広告など

明らかに邪魔な広告、音のなる広告、何も触っていないのに出現するウェブページなど、他人に迷惑をかけてでも自分の利益を得ようとする姿勢が見え見え。

 

中国のネット市場

上のSan Jose Mercury Newsによると、今中国のネット人口は6億人に達しようとしている。その巨大市場にはFacebookに似たQQ、eBayに似たAlibaba、Twitterに似た各Weiboサイト等、海外のものをほぼまるパクリ。そこから、中国市場から海外企業を締め出すのは有利な戦略だが、海外から見ると不当な独占だと感じる。