人間観察方法の例
モーパッサンの先輩「小説家になりたいならタクシー運転手を一日中観察しろ」
(ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」より)
モーパッサンが先輩の作家から小説を書く勉強法として、「パリの街頭に出かけてゆきたまえ。
そして一人のタクシーの運転手をつかまえることだ・・・君の描写によって、この男がこの
世界中の他のどの運転手ともちがった一人の人物になるまで、君はこの男を研究しなければ
いけない。」
・・・とあります。
masaru「バスの登録番号と運転手の挙動の関連を観察しよう」
さて、私はほとんど毎日のように路線バスに乗って街に出かけます。かかる時間は20〜30分くらい。
乗っている間に今日の運転手はどんな性格だろうと観察するようにしています。
ただ漠然と乗っていても運転手の性格はわかりません。
- 運転の技術・仕方
- アナウンスの仕方
- 乗客とのやりとり
- 表情、乗降時の段取り
などをジックリと観察しました。
人の性格はこれらの細かい挙動に現れるからです。
バスの運転手には運行の規範が設定されているはずですが、その範囲内でさえかすかな違いが現れるのです。
私はそこを逃さないように観察・分析しています。
また、下車した際にそのバスの車体の登録番号を必ずメモしました。
これは運転手の性格と車体の登録番号にシンクロすることがあるかどうか資料を収集しているからです。
バス運転手の性格分析の例
以下は路線バスの運転手の性格を分析したものの例です。
・急ブレーキをたびたびかけていた。
➡乗客にはプロの技術レベルはわからないが、たぶん自己PRの上手な性格だと思う、丸顔で堂々としていた。
・「もう終点ですから降りる準備をしてください」と走行中にアナウンスしていた。
➡早めに手を打っていたので合理的な思考をする人であろう。頭で考えすぎるくせがあるのだろう。
・ソフトで丁寧なことばで対応をしていて心地良い乗り心地良いバスだった。
➡路線バスの運転手にはもったいない気配りがあった。観光バスが向いていそうだ。
・降車のときに「ありがとうございました」とともに頭もぴょこんと丁寧に下げていた。
➡ここまでやりきれるなら営業の仕事もできるにちがいない。地上で折衝する仕事をしたら力を発揮しそうだ。
・降車と乗車のドアを同時に開け車内を混乱させていた。
➡木ばかり見ていて森をみていない感じだった。細かい部分の作業は良いが、たぶんボスには向かない性格のようだ。