「ぼくは数字が風景に見える」
この本を紹介するのは科学的にはまだ説明できないことが書いていて好奇心をそそらされるからである。
人が外界を感知するものに感覚がある。その主なものが、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚という五感である。ところが、「共感覚」と呼ぶものがあり、これは複数の感覚が連動することを言う。この本の主人公のダニエルは円周率22,500桁の暗証と10カ国語を話すことが出来る天才である、その天才の頭の中を自分でそれはまさに「共感覚」で行なっていると語っている。ダニエルの「共感覚」は「数字を見ると色や形や感情が浮かんで来る」というものだ。
ところで、私たちの身の回りにもこうした「共感覚」を持っている人がいますよね。例えば、視覚障害者が目が見えなくてもその場の空気を的確に感じとっている。こうした話は健常な人間には無縁の話のようであるが、仮に自分の何かの感覚が使えないとしたら、どうなるか。考えたり、探索したりすることも面白いと思っている。