新宿駅で改札口を抜けても外に出られない理由
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よく聞く東京が怖いという笑い話の中で、新宿駅で改札を抜けたはずなのに出口がなかったという話があります。ずっと理由がわからない人がいるので解説しましょう。鉄道に不慣れな人でもわかるように、基礎知識から外堀を埋めていくように説明していきます。

鉄道会社は世の中にたくさんある

電車に乗ると一言で言っても、世の中には鉄道会社があり、経営ももちろん別です。JRもありますし、地下鉄や他には私鉄と呼ばれる民間会社の鉄道もあります。JRは元々国営でしたので、田舎の人は今でも国鉄と呼んでいる人も多いです。地下鉄は市が運営していることが多いです。それに対して、JRや市営地下鉄(東京には都営地下鉄がある)と異なり、民間の会社が運営している鉄道会社もあり、私鉄と呼ばれます。

異なる鉄道会社に乗り換える時には個々の会社に料金を支払うのが基本

会社が違えば、運賃を払う相手が違うのは当然です。例えば、JRに乗れば料金はJRに払います。路線を乗り換える際に別の鉄道会社に乗り換えるのであれば、料金を払うべき対象が変わるのが基本です。

乗り換える場合でも2社の運賃を割引料金且つ1枚の切符で払うこともできる

上記のように、利用する鉄道会社に直接料金を払うのが基本ですが、異なる鉄道会社の料金をまとめて払うこともできます。切符売り場に「~線(別会社の名前が書かれています)乗り換えボタン」がある場合もあります。

乗り換え専用改札口がある

乗り換え用の切符を買っていても、別会社に乗り換える時に一度改札を通らないといけないことが多いです(特に東京の場合)。しかし、普通の改札口に切符を入れると残金があっても吸い取られてしまいます。そこで、乗り換え専用改札口というものがあるのです。乗り換え専用改札口に一度切符を通すと、ちゃんと切符が反対側から出て来て、改札を通過することができます。

新宿駅は鉄道会社がひしめき合うほど多いことが原因

そこで、本題です。改札口を抜けても出口がないのはなぜか。出られない改札口というのは、乗り換え専用の改札口だからです。新宿駅に例えば京王という私鉄で来たとします。あなたは新宿駅を出て、歌舞伎町に歩いて行こうと考えています。そこで、京王線の新宿駅で知らず知らずのうちに出口につながる改札口ではなく、JRのような他の鉄道会社に乗り換える人専用の改札口に切符を通してしまいます。その改札口の向こうには出口ではなく、JRの各路線のプラットフォームがあります。このように、乗り換え専用改札口から外に出ようするから出られないのです。最近はめっぽう切符を買わずに、プリペイドカード等(Suica, Toica, Icoca, SUGOCA等)で運賃を払うことがほとんどなので、料金の支払いを意識しなくなっていることも、迷いやすくなっている原因の一つです。

これは新宿駅や東京に限ったことではありません。

同じ鉄道会社への乗り換えでも一度改札を出ることがまれにある

地下鉄の梅田駅、東梅田駅、西梅田駅の三駅間で乗り換える時には、一度改札口を出て、梅田の地下街を通って行かないといけません。これらの駅がやや離れた場所にありますし、改札を出れば買い物もしてもらえるかもしれません。また、福岡市営地下鉄の天神駅と天神南駅も同じ原理で、乗り換えるために一度改札を出ます。

ついでに、第三セクターとは?

民間と地元の自治体が共同で運営している路線です。例えば、熊本と鹿児島を結ぶ肥薩オレンジ鉄道は第三セクターなので、JRの青春18切符は使えません。私は福岡から鹿児島本線で鹿児島に向かっている熊本県八代に到着した時に18切符が使えないことに初めて気づき、やむなく特急列車で熊本県人吉に向かいました。ところで、肥薩オレンジ鉄道は、電車なのに女性のガイドさんが車窓から見える景色などを解説してくれます。ガイドさんは全ての便に乗っているわけではありませんので、ご注意ください。

迷っても恥ずかしくない

東京育ちの人より、よそから来た人のほうがよっぽど詳しいことが多いです。電車にも乗れないからと恥じる必要はありません。東京の人は道に迷えば駅員や近くの店員さんなどに聞いているのです。また、都会の人は田舎のことわかりません。それなのに、都会の人のほうが偉いなんて不公平に決まっています。まあ、田舎に行けば、今度は逆に都会人として嫌味を言われますが。

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