こんな詭弁に気をつけろ〜その1〜
【誤った二文法】
誤った二文法とは物事を無理やり二つの選択肢に固定して、それ以外の可能性を無視して話を進める詭弁です。別名「虚偽の二文法」とも言います。
(例)
A子「私のこと嫌いなの!?」
B男「嫌いでじゃないよ。」
A子「やった!じゃあ好きってことね!」
B男「!?!!?!」
A子はB男の自分への感情を「好き」か「嫌い」かの二つに無理やり分けて他の可能性を排除しています。「好きでも嫌いでもない」という真ん中の可能性を無視しています。
【早まった一般化】
早まった一般化とは、少数の事例から一般論を導こうとする詭弁です。別名「偶然の虚偽」「性急な一般化」とも呼ばれています。
(例)
A子「私が今まで付き合ったB太、C郎、D助三人とも軽薄な男だったわ。男っていうのは皆軽薄な生き物なのよ!」
世の中にはたくさんの男性がいます。その中から自分が知った3人だけを根拠に全体をひとくくりにするのは早まった一般化です。
(例2) Wikipediaより引用
富士山は活火山である。
浅間山も活火山である。
桜島も活火山である。
三原山も活火山である。
従って、全ての火山は活火山である。
この例も少数の事例から誤った一般論を導いているので”早まった一般化”です。火山の中には休火山と呼ばれるものも存在します。(例えば大山)
【権威論証】
「権威論証」とは、権威の引用のみにより主張を支える論法で、「専門家のA先生はBだと言っている。ゆえにBだ。」のように語られます。
一般的に権威者は素人よりも正しいことを言う可能性は高いのですが、権威者が常に真実を述べるわけではありません。ゆえに、権威の引用は厳密な論証にはなりません。権威には「専門家」「著名人」などがあります。別名『権威に訴える論証』とも呼ばれています。
(例)
「テレビで大根は美肌に良いって言ってたよ」
テレビが言っているからと言って正しいとは限りません。
【多数論証】
「多数論証」とは、多くの人々が信じているという理由で、ある主張が正しいと結論付けることです。この詭弁は、広く受け入れられている理論が真実であることを人に納得させようとするときに利用されます。別名「衆人に訴える論証」とも呼ばれています。
多数論証は次の形式をしています。
前提1.Aの支持者は多数派だ。
前提2.多数派は常に正しい。
1と2ゆえ.Aは正しい。...(結論)
しかしこの前提2は誤りです。「多数派」は「正しい」の意味を含んではいません。
(例)
・先進国の80%(仮)は死刑制度を廃止している。だから死刑制度は廃止されるべきだ。
・88%の人が幽霊を信じている。だから幽霊は存在する。
・皆iPhoneを使ってるからiPhoneが一番優れてるんだよ。