予測不能の外国人の友人たちがすごい2 キルギス
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まずキルギスどこ

前回に引き続き、広州にいた時のクラスメイト。あだ名はアリ。

大学で一番一緒に過ごす時間が長かったやつ。

虚栄心が強く軽薄

外国人を知ると、(平均的)日本人の良さがわかる。日本とその他の先進国と道徳観などにさほど変わりはないが、それ以外の国では見栄を張る為に嘘をつくやつがごろごろいる。それが文化の違いという摩擦を生む原因となるのだ。そのような問題の例は枚挙に暇がない。

アリもそんな感じだが、失敗を恐れずすぐ行動に移すところは尊敬している。
軽薄だろうが何だろうが、自分を友達と扱ってくれるやつを邪険にする必要はないし、むしろこんなにすごい友達に出会えたことを誇りにさえ思う。

子供相手に本気出す

アリの中国語は、声調が下手というか、声調というシステム自体完全に無視して、でたらめに速く話すのですごく聞きづらかった。
彼が街で中国人に話しかけても中国人が聞きづらそうにするので、僕がしょっちゅう補足説明していた。

ある日、先生が留学生を家に招いた時に、アリは先生の息子と話そうとしていたが、変な中国語を話すので子供は全く懐(なつ)かなかったらしい。
それが原因かはわからないが、アリは子供とベイブレード(日本発のベイゴマ)で本気出して、勝ちまくっていたらしい。
子供相手にわざと負けてやることなど考えないようだ。

誰に嫌な顔をされても、くじけずに、どんどん話しかけていくところは見習いたい。

新規ビジネス思いついたらすぐ商談

彼はあるスコールの降る日に、良い商売思いついたと言い出した。
中国に来るキルギス人のビジネスマンにホテルを紹介してホテルから紹介料をもらうとのこと。
寮のおれの部屋に来て、ホテルの電話番号をパソコンで調べ、英語で要件を伝えるには何と言えばいいのかおれに聞くと速攻で電話したのには驚いた。
ホテルの返事は今マネージャーは食事に出ているので話ができないということだった。雰囲気から察するに断られていたことは明白なのだが、強がっていたのか、断られたと認めなかった。

中国人の女友達欲しい

授業の合間の休憩時間にアリはよく、中国人の女友達を増やしたいと言っていた。
フットワークの軽いアリでも、前回紹介したドラゴンのように、かたっぱしから声をかけるということはあまりしない。

ある日、先生が中国人学生を紹介すると申し出があった。
語学の上達にはその言語でたくさん会話することが大事だからだ。願ったり叶ったりのチャンスに、アリはすぐ先生にお願いした。その日の夕方電話で、女子10人くらい集めたからお前も来いよと誘われた時は、またはったりだろと正直そう思った。

約束の時間夜の10時に留学生棟に行くと、アリは長椅子に両腕を広げて、両隣にいる女子と楽しそうに会話していた。
3人掛けの長椅子2つを向い合せにしていたのだが、場所が足りず肘掛の上に座っている女の子もいた。
集まったのは中国人女子8人に男子留学生3人。男子はキルギス、ブラジル、日本で、日本への食いつきが一番良かった。
ただ座っているだけで女子のほうからいろいろ会話を振ってくる。ご先祖様が立派だったおかげだ。
一方のアリは、自分が集めたのに中国の女子はキルギス自体を知らず、興味もあまりなかったようで今回も不発だった。
この日以来、アリは初めて会った人には「おれはアメリカ人だ」と言うことにした。

珠江

中国南部の大河、珠江。中国は大きい、でも世界はもっと大きい。-漱石風に

ナンパってこうやるんじゃないよな?

アリから勝負を吹っかけて来た水泳の競争でアリが負けていたので、その罰ゲームとして、女の子に声をかけることになった。
カフェで休んでいると同世代くらいの女性が3人来ると、彼は突然おれに向かって「広東語でまるで(好像)って何て言うんだ」と言い出した。
おれが知らんと言うと、アリは近くにいた女の子に「広東語でまるでって何て言うの」とこの話題でナンパしやがった。
その日、アリはゲットした中国版Facebook(QQ)の連絡先で女の子を今度遊びに行こうと誘っていたが、仕事だか何だか、何か理由をつけて断られていた。
自分はアメリカ人だなんて見え透いた嘘つくからだろというのは口に出さなかった。