プーチンの迅速な判断と行動で、事態が急速に展開するウクライナ・クリミアへのロシア軍侵攻。アメリカCNNがウクライナ侵攻が与える世界経済への影響を分析した。

http://money.cnn.com/2014/03/02/news/economy/ukraine-economy/index.html?iid=SF_BN_Lead&iid=article_sidebar

ガス価格直撃

ウクライナ自体の経済力はそれほど大きなものではないが、地理的に見て世界的にも非常に重要な位置にある。ウクライナの位置というのはロシアとEUを繋ぐ位置なのである。この位置が持つ背景を説明すると、

1. EUが消費しているガス（天然ガス）の25%をロシアが供給している
2. そのうちの半分がウクライナを通っている
3. ロシアは以前ウクライナ政府との衝突の際にガスの供給を止めた前例がある

その為、もし今回もロシアがガスの供給を止めることがあれば、ガスの料金に影響が出て、企業活動や一般家庭への影響が考えられる。

グローバル化したロシアとヨーロッパからの輸入

今回の衝突に関する駆け引きの中で、経済制裁が実行されるかもしれない。アメリカとしても選択肢の一つとして経済制裁も考慮しているとのこと。昨今のグローバル経済の観点から見て、ロシアも輸入に頼っており、しかも輸入の半分以上をヨーロッパ諸国からに頼っている。現代のロシア人の生活水準を保つにはヨーロッパからの輸入品が不可欠である。

世界の穀物価格直撃

ウクライナはトウモロコシや小麦の輸出大国なので、ウクライナからの輸出が停まれば、その影響はヨーロッパに止まらず、価格が高騰する。（訳者コメント：そうなると、エジプトやリビアなどで起こったアラブの春のような事態になるかもしれないっていうことかもしれない。）

支援がなければデフォルト

ウクライナの国庫金額や経済規模がもっと大きければ、事態はそこまでひどくなかっただろう。ウクライナはUS$130億借りており、2015年にはUS$160億の返済を迎える。外国からの支援がなければデフォルトすると考えられる。ウクライナの新ロシア派議員の追放により、ロシアからのUS$150億の支援がなくなり、その代替案は未だ出ていない。考えられるのはIMFからの支援である。しかし、支援を受けるためには情勢が安定していないといけない。（ウクライナがデフォルトすると外国にも影響出る？）

その他の新興経済にも影響が出るかも

今回のウクライナ危機で、世界の投資家がウクライナ以外の新興経済に対しても慎重になるかもしれない。また、ウクライナに投資をしているロシアの銀行も影響が出そうだ。ロシア通貨のルーブルも2014年に入ってから10%のルーブル安になっている。

旧東側の言語、特にロシア語ができればよかった

英語や日本語で色んな記事を読んでいるのですが、英語は旧西側の言語なので、書かれる記事も西側の視点から書かれているのではないかと思います。中国語などの言語でも記事を読んでみようと思いますが、やはりロシア側の報道を見てみたいです。ロシア語ができなくて残念です。aljazeeraも今回の立場としてはアメリカとあまり変わらないと思います。