シンガポール式人生の転換期とは
海外現地メディアから垣間見る世界観
僕は外国に行くとなるべく現地の新聞を読むようにしている。一番の目的は外国語学習なのだが、日本にいては想像もしていなかった世界に触れることができるという特典はおまけにしては大きな収穫となる。
日本にいてもネットで海外記事は読めるのだが、世界的大手以外普段はあまり読むきっかけがないかもしれない。だから、外国に行くと積極的に読むようにしている。
僕はシンガポールで英語学校に通っていた時、ほぼ毎日Straits Timesという現地の新聞を読んでいた。一番楽しみにしていたのはSumiko Tanのコラムだった。彼女のコラムのファンになったきっかけの記事を紹介する。英語の勉強がてらに読んでみよう。
ソースコラム:At a turning point
海外移住の決断
話はイギリスに住む彼女の友人からの言葉から始まる。友人はイギリスに住んでおり、Sumikoにイギリス移住を勧める。
実は彼女の身近にも海外移住者がいる。名前からもわかる通り、彼女の母親は日本人だ。母は海外に行くことが身近でない50年代にまだ発展していなかったシンガポールに来た。その決断も去ることながら、シンガポールという異国の地での生活も大変だったようだ。お母さんがやっと日本に戻る機会があった時には、もう父と兄はなくなっていた。
また、彼女の姉もアメリカ人に嫁いでアメリカに移住している。
隣の芝は青いというが、本当に外国が良いのかは行ってみる必要がある。しかし、それには今の職場や地位だけでなく、友人や住み慣れた環境丸ごと手放す勇気が必要となる。それに、生まれた場所ではないところで死ぬというのはおそろしい。
でも、挑戦しないことで将来後悔するかもしれない。挑戦しない自分は単に臆病なのかもしれない。
心の描写は「シンガポール好きじゃないの?」という友人の突然の言葉にさえぎられる。大切な今を楽しむためにシンガポールに住み続けるという決断をするとともに、シンガポールという祖国への郷土愛を確かめたのだった。
シンガポール特有の世界観
日本人として読むと、Sumikoの日本人的な素顔が見れるのかと期待してしまうが、内容は海外移住が比較的身近だというシンガポール人特有の世界観を表している。シンガポール人の中でも大半は海外移住をしないだろうが、しかし、海外に行く人は多い。国といってもシンガポールは都市1つ分の大きさしかないので、タイやマレーシア、カンボジアなどへの旅行は比較的身近なようだ。また、オーストラリアやアメリカへ留学する人もいる。
海外に行く人が珍しくない場所で、地元ってどんな意味を持つのだろうかと考えさせられるコラムだった。